共通教育科目の魅力や
ユニークさを発信

色んな「眼」で
未来への扉をノックしよう

音楽学部応用音楽学科 准教授 
永島 茜

人間の目、虫の目、学生の目など、世の中には実に様々な目があります。それは、視覚的な意味だけでなく、物事の見方や見え方をも含んでいます。「心眼」というように、「物事を見極める、鋭い心の働き」(新明解国語辞典)といった使われ方もありますね。要するに、同じ対象でも、見る者の状態によって、その見え方は全く異なるのです。

ところで、音楽にはハードとしての形はなく、時間や空間の中で、人に「音楽」として聞かれることで、はじめて「音楽」になります。時間芸術とも呼ばれますが、時間は前から見る未来と、後から見る過去では随分と印象が異なります。

現在、多くの皆さんが親しんでいる音楽は、きっと現在の音楽が中心で、言わば「前から見る(聴く)音楽」ではないでしょうか。対して、西欧の芸術音楽は、現在から過去を見つめる「後から見る(聴く)」音楽が中心です。共通教育は、こうした多様な視点を獲得できる場であり、皆さんの未来の扉をノックする事でしょう。