なぜジェンダー平等が重視される今日，男女別学の女子総合大学で学ぶ意義があるのでしょうか．この問いへの回答は種々あるでしょうが，共通教育の多彩な科目群に1つの示唆があると考えます．思うに，性差に踏み込んだ本質的な考え方が浸透しなければ「女性活躍」という言葉はマジックワードに留まってしまうでしょう．共通教育科目には女性に特化した実践科目が多数，用意されております．多感な学生時代に専門性をもつ教員から学科横断的かつ，女性だけの教育環境でリベラルアーツ科目を学ぶことで，ジェンダーへの理解が深化すると思います．なぜなら，女性だけの環境で学ぶことは，世にいう「女性らしさ」，「男性らしさ」という外部の環境要因に依存することなく，自由に理論と実践を学ぶことを可能とするからです．女性活躍は女性のために推進するものではないということを授業を通じて学べる点が共通教育の最大の魅力と考えます．