専門分野の学びとデータサイエンス

「データリテラシー・AI の基礎」を学んでより良い社会の実現へ

心理学や社会福祉学は、人の心や生活について考え、すべての人のウェルビーイング(善き生、幸せ、より良い暮らし)を支える技術や方法を学ぶ学問です。そこには、人権や社会正義といった普遍的な価値がある一方で、現実社会における人々のウェルビーイングは、私たちが生きる時代や社会のありように大きく左右されます。例えば、スマートフォンが生活の必需品となった現代社会では、衣食住に費やすお金を削ってでも携帯電話料金を支払うことを優先する生活困窮世帯も多く、貧困が「見えにくく」なっていると言われています。また、コロナ禍では多くの会議が対面からオンラインに切り替わったように、独居高齢者のつながりを支えていた地域活動などもオンラインでの実施を余儀なくされた時期がありました。社会の急激な変化に対応できない人は、すぐさま孤立に陥ってしまう可能性もあり、このようなデジタル・ディバイドによる社会的排除への対応も、今後、心理や社会福祉の専門職には求められるようになると思います。これから到来するデジタル社会でより多くの人を支えるためには、まずは自分自身のリテラシーを高めることが不可欠です。心理・社会福祉の分野でも「データリテラシー・AI の基礎」を学んだ学生たちは、その知識を存分に活用して、より良い社会の実現に貢献されることを大いに期待しています。

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